先日フォロワーさんと話していた「10年後、ハセヲとシラバスが新しい物語に登場したらいいよね」という妄想をまとめました。全部妄想です、フィクションです。公式とは一切関係ございません。
新情報が日本のアニメ雑誌の載ったらこんな感じかなぁ~と想像しながら作りました。 もしかしたら、これをベースに二次創作というか何か作るかもしれませんが、どうかな~。今のところアイデアだけ掲載しておきます。
世界を揺るがす存在、妊娠したPC「Mother」
ネットとリアル、
この世界の境界は既になくなりつつあるのか
意識不明者を出して何度もネットを震撼させながらも、新バージョンを展開し続けるネットゲーム「The World」。
今まではVRネットゲームという立ち位置だったが、ゲームの範疇にとどまらず、コミュニケーションやビジネスにも利用できるVRネットサービスとして近年大規模展開し、急成長を果たしていた。他のサービスとは桁違いの没入感、現実とほぼ変わらない体験が得られるということで、ゲーマー以外の幅広いタイプのユーザーからの人気が爆発的に伸び続けている。
冒険を楽しむPC(プレイヤーキャラクター)、ビジネスに明け暮れるPC、遠く離れた家族や恋人と繋がるためにログインするPC… 「The World」はそれこそ、ネット上におけるひとつの世界になっていた。
そんな中、奇妙な噂がネットを騒がせていた。
――――――どうやら、妊娠したPCがいるらしい
「The World」ではヘッドセットが脳波に直接働きかけることでまるでリアルのような没入体験が出来る。そのためVR上で現実に近いコミュニケーションをとることも可能ではあるが、妊娠となると話は別だ。もちろん、VRネットサービスという形で展開している以上、様々な機能がデザインされたPCが存在するが、あらゆる交流が「コミュニケーション」の範囲を出ることは出来ない。あくまで脳を錯覚させているに過ぎないからだ。
そのため妊娠、「生命を生み出すこと」ことなどありえないのである。だからこそ、この噂は人びとの好奇心に火をつけたのであった。
ネットに生命の誕生が噂されている頃、世界では非常に強力な生体ウイルスの蔓延、政治の機能不全、アイデンティティクライシスなど様々な問題が起きており、世界規模で人間のサイボーグ化および、電脳化技術の研究が急ピッチで続けられていた。
このままでは人類が
「終焉」してしまうのではないか……
そんな人と人が断絶せざるを得ない世界で、多様性を受け入れ、ネットを通じてリアルと変わらないコミュニケーションが可能な「The World」に多くの人が集まることは、誰にも止められない社会現象のひとつになっていた。
時は、2027年。
フリージャーナリストの森野優一はとある不可解な事件を追っていた。
「The World」の一大ギルドのひとつ、「カナード」で大量の意識不明者が出たという事件である。このゲームにおける意識不明者、通称「未帰還者」は、日常になりつつあり、最近ではあまり大きく取り上げることも少なくなった。
しかし、「カナード」は彼にとって非常に重要な場所であった。そしてジャーナリストとしてフリーに転身した今だからこそ、このような小さな事件にも個人的な見解で飛び込むことができる。
優一は久しぶりに懐かしい気持ちを感じながら、「The World」にログインする。
元カナードのギルドマスター、「シラバス」として。
そしてこの事件が、世間を騒がす「Mother」に関わる重大な事件に繋がるということを、彼はまだ知らなかった……
10 years after that day …
あの日の君が、僕らを呼んでいる
カナードとは?
カナードは、The World R:2時代に創設された老舗巨大ギルド。
初心者支援ギルドとして、初めてログインしたPCや困っているPCを援助することを目的としている。
アリーナバトルを3冠制覇した伝説のPCハセヲが、一時的にギルドマスターを務めていたこともあり、人気ギルドとなった。現在でも、初心者支援および、PCのテクニックサポートなどを行い、The Worldの看板ギルドとして名高い存在。
優一のPCシラバスはR:2時代、ハセヲがマスターを務める前後にマスターを務め、ギルドの発展に貢献した。
Motherとは?
The Worldに流れる不可解な噂、妊娠したPCの通称。妊婦のような姿、赤ん坊を抱いているなど、目撃証言も様々で謎の多いPC。
登場人物
森野優一
「今度は僕を頼ってよ。君より一応は、お兄さんなんだから。」
29歳。フリージャーナリスト。元々は大手新聞社に勤めていたが、社会に必要な報道ができないことに憤り退社している。大学時代に、「シラバス」としてThe Worldの初心者支援ギルド・カナードのマスターを務めていた。
牧孝太
「やっぱり、ふたりがいないカナードは、嫌だなぁ……」
23歳。イラストレーターになるべく毎日画塾に通う心優しい青年。性格に反してかなり大柄。中学時代にカナードのメンバー「ガスパー」としてシラバスやハセヲのサポートをしていた。長年夢見ていたCC社のグラフィッカーアシスタントとして内定を決めたようだが…
三崎亮
「よぉシラバス…… こんなところで再会なんて皮肉だな。」
27歳。若くしてネットワーク管理局(NAB)の幹部に属するエリートエンジニア。元カナードのギルドマスターであり、伝説のPC「ハセヲ」のリアルユーザーでもある。「Mother」に関する事件について何か知っているようで、優一は彼と約10年ぶりに再会することになるが……
※この内容はフィクションです。既存の名称、団体等とは一切関係ありません。また非公式のため公式の情報とも関連はありません。
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