第八話 福寿草 Fukujusou

 
 
 
 
 

 結局二人はのぼせるほど湯に浸かってから、秀五郎の家に戻った。囲炉裏の前には綺麗な膳が置かれ、色とりどりの保存食が並んでいる。雪国の貴重な食べ物を頂戴するわけにはいかないと椎坐は断るも、ハルは「たまにはいいんだ」の一点張りで、結局明日の朝、狩りをして恩を返すことを約束した。
 干した大根を醤油に漬けたはりはり漬け、たらこの麹漬け、へぎそば、熟成されたかんずり。懐かしくも素朴な品々に椎坐の箸は止まらなかった。四人は囲炉裏を囲み、地酒と肴でしばし夜の帳を過ごした。
「小滝の武士はどうですか?」
 椎坐は尋ねる。
「高田から交代で三人ほど警備に来ておる。少々頼りないが、一応波紋の出だ」
「最近、吸血鬼は?」
「ここ最近は村の近くで見てないな。こうも寒いと、鬼も寄りつかんのだろう」
 秀五郎は盃を傾けながら椎坐を見つめた。
「佐州はまだ鬼が多いのかね?」
「……そうですね。でも、きっと、吸血鬼のいない島にしてみせます」
 その言葉に秀五郎は目を細めて頷いた。

 そのしばし後、各々は寝床についた。助世富と椎坐は客間の一室に布団を並べ、しばし眠れずにいた。

「助世富、起きてるか?」
「……ああ。なんだ、眠れないのか?」
「お前こそ」
「俺はいつだってぐっすり眠れやしないさ」
 助世富は寝返り、椎坐を見つめた。
「椎坐に夜這いする奴がいたら叩っ切る。それが俺の役目だ」
「物騒だな」
 椎坐は呆れたように笑った。
「……だが、なぜだか今日は眠れない。胸騒ぎがするんだ……」
「……波紋の知らせってやつか?」
 助世富は身体を起こして周囲に波紋をめぐらせた。五感を全て研ぎ澄まし、夜の闇に身を委ねる。
「……どうかな。俺にはよく分からないけど。椎坐が言うと嫌な感じがしてくる。鬼が来るのか?」
「……分からない。しかし吸血鬼以外に胸を騒がせるものはいるか?」
「念のため、村を見回ってみようか?」
 その言葉に椎坐は頷いた。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

第八話 福寿草

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 寝床に就く夫婦を横目に、二人は忍足で家を出た。外はひんやりと冷たい。太陽を隠した山村は大きな夜の底で小さな寝息を立てている。雪山の上には、半分ほど欠けた月が浮かんでいた。
「随分と静かだな」
 二人はあたりをぐるりと見渡し、遠く、村の入口の先で松明の灯を見つける。おそらくこの村を警備している波紋の武士だろう。二人はひとまずその灯を目指して歩いた。雪道にはらはらと緋色を散らす松明は、ただじっと同じ場所に留まっている。
「椎坐、あれって……」
「ああ……気をつけろ。何かがおかしい」
 助世富は一歩前に出て、椎坐の護衛の位置に付いた。助世富は前方に、椎坐は後方や周囲を警戒しながらその灯へと近づく。すると生ぬるい鉄の匂いが鼻を突いた。
「椎坐!こいつ、死んでる……」
 灯りの端で、助世富は叫んだ。二人は素早く刀を抜き、闇の中で構える。周囲に意識を集中し、波紋の呼吸を研ぎ澄ます。この死体は餌だ。村人や武士を誘き出すための死体に間違いない。しかし道の両脇は雪の積もった田畑。人が隠れるような場所はなかった。田んぼの真ん中、誰もいない場所に武士の死体がある。そして律儀にも松明が灯されている。それは恐ろしいほどに奇妙だった。

「まさか……!」

 椎坐が叫ぶと同時、村から布を裂くような悲鳴が響いた。椎坐は一目散に走り出す。おそらく、自分たちを村から引き離すために死体を置いたのだ。椎坐は何者かの策にはまったことに舌打ちし、雪道を全力疾走で駆けた。すると村の中央から黒い煙が上がった。
「くそ!助世富急げ!村人を守れ!」
「椎坐、待て! 一人で行くな!」
 出遅れた助世富は、すぐに椎坐の背中を追いかけた。二人の間にほんの数間の距離が出来る。そのほんの束の間の瞬間、二人の目の前に人影が飛び出した。

「こいつらが波紋の二人組か。噂通りだ」

 助世富と椎坐の前それぞれに、仮面をつけた武士と菅笠を被った武士とが立ちはだかった。しかし椎坐は臆せず、目の前の菅笠の男を押し切るように刀を向けた。
「そこをどけ!斬るぞ!」
 懐に飛び込むように刀を斬りつけると、菅笠男は大きく跳躍して刀をかわし、体を回転させて助世富の後方に着地した。その動きは人間離れしており、仮面を付けた喜三太を思い起こさせる。二人分の距離をも跳躍し、助背富の背中を取った菅笠男は素早く助世富を斬りつけた。しかし助世富はその動きを完全に見極め、太刀を受け流す。そこに追い討つように仮面の男も助世富に斬りかかった。
「助世富!」
 完全に不意打ちを取られ助世富に椎坐は叫んだ。しかし助世富は脇差を素早く抜き取り、仮面男の首を目掛けて突き出した。
「おっと!」
 仮面男はすぐに飛び退いて逃れた。
「そんな刀の使い方をするやつがいるとはな」
「背中から斬る奴が言う言葉か!」
 椎坐は仮面男に斬りかかった。
「相手が上星と聞いちゃ、真っ向勝負は避けたいだろ?」
「貴様!それでも武士か!」
 その言葉に、仮面男は呆れた声で笑った。
「ハハッ面白いこと言うね、この坊っちゃん」
 仮面男は椎坐に興味を持ったのか、今度は椎坐に向けて刀を構え、道の間に立ちはだかった。その仮面を月明かりが照らす。白く浮かび上がったのは奇妙な狐の面だった。
「そこをどけ!」
「仮面を持ってるのはこっちの “坊ちゃん” かい?」
 その言葉に狐男の真意を理解した椎坐は鋭く睨んだ。
「村に何をした!」
「なにって。ちょっと “餌” になってもらっただけさ」
 狐男は喉で笑った。
「今頃みんなで仲良くを血を啜ってるんじゃないか?」
 その言葉に椎坐は青ざめた。
「嘘だ……! 彼らは何も関係ないじゃないか!」
「関係ない? 君にはとっても “関係ある” じゃないか?」
 その言葉は狂気でしかなかった。
「なぁ杖部利の坊ちゃん。そうだろ?」
「椎坐! 聞くな! そんなやつの言葉!」
 助世富は叫んだ。しかし椎坐の心は動揺に乱れる。
「嘘だと思うなら確かめに行けばいい。上星を置いて。上星なら俺たち二人を相手にすることなど、造作もないだろ?なあ?」
 耳打ちされた言葉に、思わず目を剥く。
「今ならまだ間に合う。仮面と上星を置いて行け。そうすれば見逃してやる」
「椎坐!やめろ!!」
 助世富が叫ぶ。しかし椎坐は助世富の声を無視して狐男に波紋の剣技を打ち込んだ。
「あーあ、バカだなぁ。お前のせいで、上星も小滝の民もみんな死ぬんだ。吸血鬼の餌になって。全部 “あんたのせいで”」
 その投げやりな言葉に、椎坐の怒りは沸点を迎えた。刀の柄が食い込むほど握りしめ、力任せに振り回す。太刀は乱雑な線を描き、宙を掻き乱した。研ぎ澄まされた波紋も、正しい呼吸も、洗練された剣技もない。怒りに任せた我武者羅の太刀だった。
「馬鹿!何してんだ椎坐!」
 助世富は歯を食いしばった。目の前にいる菅笠男を押し除け、椎坐の前にいる狐男の手前に踏み込む。椎坐が隙だらけの太刀を振りおろす寸前、助世富はその太刀の前に勢いよく飛び出した。

 カッ、キン―————

 椎坐の太刀を脇差で受けとめ、隙を狙っていた狐男の太刀を打刀で弾く。狐男は面白いものを見るかのように、ピュウと口笛を吹いた。

「……っ……!」
「椎坐! しっかりしろ!! 呼吸がめちゃくちゃだ!」
 助世富はすぐに椎坐と背中合わせに立った。
「いつも言ってたじゃないか。感情に流されるな、呼吸に集中しろ。違うか?」
「……すまない……」
「こんなクズに俺が負けるわけねぇだろ!」
 助世富は真っすぐ前を見据えていた。
「いつも通りやればいい。椎坐は狐を。俺は菅笠の男をやる。だが俺は、椎坐の呼吸に合わせる」
 その言葉に椎坐は頷き、呼吸をし、刀を構え直した。
 椎坐は助世富の波紋を感じた。それは心強い存在感だった。この男なら何も考えずとも、背中を預けられる。彼なら全てを読み切ってくれる。その安心感に椎坐は心の乱れを一瞬で整えることが出来た。
 助世富が構えると、今度は菅笠男が迷いのない太刀筋で一気に攻め立てた。狐男に比べ寡黙な男は、独特な重たい剣圧を持っていた。鋭い突き、刃を翻すような一撃、そして肩口を狙う斬撃——そのすべてが流れるような動きでつながり、助世富を圧倒しようとする。
「はっ、いい腕してんな」
 助世富は笑いながらも、気を抜かない。素早く身をかわし、波紋の呼吸に集中。相手の急所めがけて容赦なく切りつけた。しかし攻撃の速さ、斬撃の鋭さ、間合いの取り方、相手はタイミングを合わせて斬撃を否した。
「……どうした? それで終わりか?」
 菅笠男が挑発する。
「まだ始まってもねぇよ!」
 助世富は踏み込んだ。相手が刀を振り下ろす瞬間、波紋の力を刀に乗せる。
「おらぁッ!」
 助世富の刃が菅笠の首を狙う。すると村人の悲鳴が空間を裂いた。その声にほんの一瞬気が逸れる。相手は紙一重で身を引き、即座に反撃の構えを取った。
「くそっ!」
 助世富の太刀は首から逸れ、男の菅笠を吹き飛ばした。ふわりと顔が露わになる。その顔には見覚えのある傷跡がありありと刻まれていた。
「やっぱり、喜三太と同じってわけね」
 額の両脇にポッカリと空いた穴。歪んだ口元には鋭い犬歯が覗いている。

「「どうした? 俺の顔に何か付いてるか?」」

 狐男が間合いを詰め、椎坐にぐいと顔を寄せた。椎坐は慌てて飛び退き、体勢を立て直す。正直なところ、剣の腕は完全に相手の方が上手だった。狐男は素早い太刀で椎坐を追い立てては、時にわざと隙を見せる。何度も間合いに入り込んでいるにも関わらず、男はとどめを刺さない。まるで子どもの相手でもしているかのように余裕綽々だった。おそらく彼はただ愉しんでいる。つまり “飽きた時” が終わりの時だ。
「貴様は弱い」
 狐男が呟く。
「お前、随分と色んなものが大事みたいだな。子どもみたいに何でもかんでも抱え込んで」
 狐男は、その面の奥でクツクツと笑った。
「いいことを教えてやろう」
 狐男はその太刀を大きく振りかざし、月光を遮った。

「この世界はな、大事な人を持ってるやつから死んでいくんだ」

「あ……」

 月光を背負う狐。その美しく極まった型。圧倒的な趣で立ちはだかる姿に、椎坐は敗北の予感がした。
 狐の刃先は月を反射し、ゆったりとした動きで椎坐を捉える。その瞬間、すぐ後ろで見慣れた波紋がパチンと弾けた。

「読み切ったぜ、クソが」

 すぐ真横をひらりと、華麗な波紋が通り過ぎたかと思うと、波紋を纏った刀は月のように青く光り、狐男の首を一筋で切り裂いた。それはあまりにも確信的な一太刀だった。その静寂、その呼吸に、椎坐は身を委ねる。そして身体を翻し、後方に勢いよく飛び上がった。すると鋭い牙を剥いた男が刀をゆっくりと振り下ろすのが見えた。世界が駒送りのように進む。椎坐は自分が波紋の一部になっているのを感じた。太刀を完璧に読み切った椎坐は男の首を一撃ではね飛ばした。

 雪の上に、静寂が訪れる。そこには二つの死があった。

「椎坐、なんか今の、すげぇいい太刀だった」
 静寂を破ったのは助世富だった。
「助世富の呼吸に合わせただけだ。お前はこの二人の太刀を……読み切っていたんだろう?」
 椎坐が見上げると、助世富は満更でもない顔をした。
「まあな。こいつら、ただの見かけ倒しだ」
 助世富は雪道に転がる首を睨みながら言った。
「波紋の武士じゃねぇのに、波紋の型を使ってやがった。見かけだけの空っぽの型だ。そんなものを読み切るのは簡単だ」
「……確かに。波紋の気配はなかった」
 椎坐は肩を落とした。
「そんなことより、村だ。村は無事なのか?」
 椎坐が振り返ると白い雪道の片隅に、一人の少年が立っていた。

「椎坐にいちゃん…」

 少年は小さく呼んだ。

「お前、無事だったのか……」
 椎坐が近づくと、その少年は地面にしゃがみ込んだ。少年は首から血を流し、その手は真っ赤だった。
「みんなが死んじゃうよ……助けて、椎坐……」
 少年は大きく息を吐いたかと思うと、苦しそうに地面にのたうちまわった。泥と雪で着物がぐちゃぐちゃになっても、少年はやめなかった。しばらく四肢をばたつかせた後、静かになる。その様子に椎坐は青ざめた。
「おい、椎坐。そいつから離れろ」
 助世富が刀を構え直す気配に、椎坐は叫んだ。
「駄目だ! まだ子どもだぞ! 助世富。頼む、やめてくれ……」
 しかし助世富の意志は揺るぐことなく、その少年だけを見つめていた。少年は地面からゆっくりと立ち上がった。その瞳は赤く、しかし健気に椎坐を見つめている。その真っ赤な手の平を椎坐に伸ばしながら、一歩また一歩と近づいてくる。
「な、なぁほら。まだ彼は……」
 椎坐が手を差し伸ばした瞬間、少年は飛び上がり椎坐めがけて牙を向いた。助世富は全てを知り尽くしたかのように、少年の身体を一太刀で切り捨てた。

「あ……」

 無惨に散った子どもの姿に椎坐は立ちすくんだ。その後ろでは火の手が上がり、何かの呻き声が聞こえてくる。

「嘘だ……嘘だよな……」

 椎坐は村に向かって全力で走った。その後を助世富も追う。二人は焼けた蔵や馬小屋を飛び越え、村はずれにある秀五郎の家まで走り抜けた。軒先には乾燥した大根と柿が干してある。玄関脇にはかんずりの壺も置いてあった。かんずりは六年目が美味いんだ。だから来年には美味いかんずりが食べられる。
「そうでしたよね……」
 椎坐は家の戸口に近づいた。すると戸口のすぐ側にハルがいた。椎坐はその姿にホッと胸を撫で下ろした。
「ハルさん……無事で……」
 椎坐が声をかけるとハルは振り返った。その口元は血に染まり、腕には男の首を抱いていた。
「……ハルさん、明日の朝、鹿を獲ってきます。一緒に燻製にしましょう」
 椎坐が笑いかけるとハルは真っ赤な口で柔らかく微笑んだ。
「椎坐、もうやめよう……」
 助世富は椎坐を後ろから抱きしめた。
「分かってんだろ……なぁ、お願いだ。頼むよ……」
 助世富の声は震えた。しかし椎坐はその腕を振りほどき、ハルに声をかけるのをやめなかった。一歩、また一歩とハルに近づく。そして椎坐がハルに触れる寸前、ハルはその牙を突き立てた。助世富は素早く椎坐の身体を引き寄せ、ハルの首を落とした。

「……嘘、だ………」

 椎坐はあえなく、地面に膝をついた。

「椎坐、命令しろ」
 椎坐は首を横に降った。
「朝までは待てない。待ったところで、もう彼らは助からない」
 椎坐は首を横に振り続けた。
「命じないのなら、全ては俺の判断だった、としても構わない。でも……」
 助世富は刀を構え直した。その気配に、椎坐はようやく、ゆっくりと顔を上げた。助世富は椎坐が沈黙を破るのを静かに待ち続けた。それは永遠にも似た長い長い沈黙だった。

「…………皆を、眠らせてくれ……」

 椎坐は一度だけ前を見つめた。行ってきますと振り返る、いつもの玄関口。見送る家族に手を振り、村の田んぼへ駆けて行く。広がる世界、その向こうを見つめると、溢れる色があった。しかし今、ここからは何も見えない。椎坐はその悲しさに静かに目を閉じた。

「承知した」

 助世富は雪を蹴って村を走り抜けていく。残ったのは恐ろしいほどの静寂。助世富の太刀はあまりにも華麗に、彼らを葬っていくに違いなかった。叫び声一つ上げることなく、静かに雪の大地へ還していく。武士の死に様は見届けて然るべきだ。しかし民の死に様を見つめることは、椎坐にはできなかった。
 ここには戦場の血の匂いも、武士の騒がしさもなかった。ただ、静かに山に生きる人々の営みがあるだけだった。彼らはただ、生きていただけなのだ。

 椎坐は唇を噛み締めた。しかしそれはあっけなく解け、泣き声が止めどなくあふれた。世界が滲み、何も見えなくなった。
 椎坐は声をあげて泣いた。自分の無力さに。不甲斐なさに。運命に。その嘆きは、終わらない夜の音だった。

 
 
 

 山間から朝の気配が顔を出す頃。椎坐の身体は枯れ果てたかのようだった。すると、一つの足音が聞こえた。それは雪を踏みしめ、こちらに向かってくる。椎坐はゆっくりと顔を上げた。
 朝があった。そこには太陽があった。金色の衣を纏った一人の武士がいた。その刀は、髪は、額は、赤黒く染まり、鬼のようだった。金色の鬼は、真っ黒な大地を踏み締めている。全ては焼け果て、血も雪も黒く溶けている。全てが無に還った大地の上に、その金色は唯一の色だった。
 それは小さな福寿草の花だった。焼け野原に咲く一輪の花。誰も見つけることができなかった、太陽の花。ただそれだけがここにあった。

「助世富……」

 呼びかけると、その花は椎坐を抱きしめた。身体中に褪せた血が染み込んでいく。その腕の中で、椎坐は初めて愛を感じた。

 
 

 この世界は、大事な人を持ってるやつから死んでいく。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
>>次の話(第九話)