【考察】アオイ君という偶像崇拝

古のTLをさかのぼっていて、色々改めてアオイ君とあの事件についてちょっと思いを馳せておりました。

今回は 「物思う話 アオイ君という偶像崇拝」になります。気づいていたようで見落としていたあの事件の超個人的すぎる考察……的なものになります。
大事なことなのでもう一度言いますよ、「超個人的な」感想というか考えたことなので、本当にこれが正解とかじゃないし、解釈が全然変な方向に行ってることもあるのでご容赦ください。

笑い男事件や攻殻SACの考察とか解説は、もうネットに大量に出ているので、気になった方はそちらをぜひご参考に!
私はあんまり解説サイト読んでいなくて、アニメとTLでほぼ考察してるので「え!今更!?」みたいな内容出てくるかもしれませんが悪しからず…。
※あとクソって言葉めちゃ使います。半分冗談半分本気で大体アオイ君の受け売りです。そしてけっこう長いです。
お暇な方はお読みいただければ… 時間がなければ、時間が勿体ないから回れ右笑

 
 
 
 
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笑い男事件とは何か。アオイ君の動機

はい!では、さっそくいきましょう!
アオイ君が行なったセラノ社長誘拐事件、通称「笑い男事件」。
2月3日の渋谷で起きた事件なんですが、一応これが「第一次笑い男事件」と言われているものです。
これを行なったあらすじ・犯行人であるアオイ君の動機を簡単に説明すると

①電脳硬化症と言われる難病を治すワクチンが開発されていたんだけど、
②政治や医療業界の大人の事情によって、ワクチンが認可されず、かわりに大して効果のないマイクロマシンが認可された。
③そのマイクロマシンを認可して販売することでビッグになったのがセラノさん。
④その難病を治す特効薬なのに認可しなかったのが今来栖さん(+その他大勢のクソな大人たち)。
⑤アオイ君は、この人命に関わる不正をネットで偶然みつけ、正義感にかられてテロを起こすことを決意し、
⑥セラノさんを誘拐。
⑦渋谷での笑い男事件勃発。

みたいな流れなんですが。

若い頃って、「なんでこんなに世の中クソなんだ!」って思って、不正や事件にイライラしたり憤ることってあると思うんですが、
誘拐までして行動するのってなかなか強烈だと思うんですよ。
しかもアオイ君くらい頭もよくて天才的なハッカーなら、色々な不正文書を大量に盗み見していただろうし、それを見ても、「世の中大体クソじゃん…。」って厭世感に駆られて終わりそうなのに、あの不正を見つけただけであそこまで動くのか…?と、思ってしまう。
そうなると、やっぱりアオイ君も電脳硬化症だったんじゃないか? もしくは 家族を電脳硬化症で亡くした とかだと思うんですね。ライ麦畑の主人公も白血病で弟を亡くしていたし、私的には割とその可能性を推しております。

絶対に戦ってやる!って一瞬でも強く思って行動するには、かなり感情的な動機が必要な気がするんですよね。
若くて青臭くてもロジカルに物を考えすぎるタイプの子は、むしろ強い行動の動機や正義の理由がより情緒的になるんだと、わたくし、勝手に思っております。

 
 
 
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アオイ君はなぜ「セラノ社長”誘拐”」という選択をしたのか

そしてもう一つ気になるのは、なぜ「誘拐」したのか。
彼くらいの才能があれば、ネットに流すことも、もっと上手く告発することもできたはず。
セラノさんも「君が告発すればいいじゃないか!」と言っていましたよね。そうなんですよ。
アオイ君はそれに対して「それじゃ意味がないんです!あなたの口から言わないと!」みたいなことを言います。

ここ、ミソですよね。超エモ…ってなる部分ですよ!

もうこの点に関しては、答えも考察もたくさん出てると思うんですが、私的に、たぶん、たぶんですよ…。
この事件、普通に他人が告発したら間違いなくセラノさんは悪者です。
でもこの事件の一番クソな部分は、クソな医療や政治っていう、クソみたいな大人たちのクソみたいな大人の事情によって一般市民の命が奪われ、効きもしないマイクロマシンを使って茶番をやらされてたってことです。
そして一部の特権者だけが悠々とワクチンを使っていた。 ん?あれ?こんな話、最近もニュースでよく聞くよねぇ…(目を細める)

セラノさんは、まぁ、使えないものを認可しちゃったけど、巻き込まれた人に過ぎないんですね。
そして、儲かっていようと一般企業にすぎないセラノ・ゲノミクス社。ただただ普通に告発した場合、クソ政治クソ医療界を守るためにまずはじめに生贄されるでしょう。セラノ社に全部責任押し付けて他はまた雲隠れ。そのへんまでアオイ君はわかっていたんじゃないでしょうか。

だからたぶん、セラノさんを助けたかった。仲間にしたかったんじゃないかと思うんですよ。
もちろん不正に加担したけど、彼が根本悪じゃない。彼も僕らと同じような立場だ。だからきっとわかってくれる…。
そう思ったから、今来栖氏とかではなくセラノさんを選んで誘拐したんじゃないでしょうか。

でも、誘拐なんてされたら、なかなかそんな人信じられませんよ普通笑
そのやり方に青臭さというか、他人との距離をうまくつかめていないアオイ少年の不器用さを感じる。
そしてやはり結局、セラノさんは逃げたいがために嘘をつき、アオイ君の提案を飲まずに去ろうとしてしまい………あの事件に発展しちゃったわけです。

笑い男事件としての展開は世の中のクソさとか、民衆心理とか、ネットとリアル、デジタルとアナログの要素をすごい面白く描いてるから、ああやっぱ攻殻S.A.C.たまらんは好きだわ~ってなるんですが、今日はセラアオ…失礼、セラノさんとアオイ君に焦点を当てたいのでここでは端折ります。

 
 
 
 

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セラアオとかいう沼

セラアオに気を狂わすほど萌えたというわけではないんですが、セラアオは本当にブロマンスというか、 人間を人間たらしめる何か… みたいなところをやってのけるような、危うさとか儚さとか美しさとか色々感じる…(全部妄想)

先ほど話したように「セラノさんなら、きっとわかってくれる」という期待を持ちながら誘拐するアオイ君。
「セラノさんは僕らと同じ側の人間だ」「セラノさんは悪い人じゃないはず」「わかってくれる」「僕と一緒に不正と戦おう」
みたいなさ…  こんなおじさんに期待しちゃってるアオイ君の青さよ…

もしかしてもしかすると、セラノ社長は慈善活動っぽいこととかもしてたのかな?
ネットでセラノさんのこと調べているうちに、とても家族思いだとか、社員思いだとか、何かとても良い話ばっかり出てきたとか
そういう感じだったのかな?

 

 

人間って勝手なもので、期待しちゃった分、その期待を裏切られた時の感情が大きくなりがちで、でもそういうのは時間が経つと色々解決してくれるものだから…。あの事件後はセラノさんもアオイ君も「あのクソ野郎」って思ってたと思うけど、
世の中に広がった笑い男事件や政界の様子を見ているうちに、セラノさんもアオイ君も考え方を変えていったと思う。
6年間という時間って結構長いと思うんだけど、セラノさんがあの軟禁生活に慣れてしまったとしても、その生活を強いた張本人の存在は絶対に忘れられないし、アオイ君も授産施設という場所を自ら選んで過ごしていたわけだから、ふたりとも似たような軟禁生活をしていたわけで。ふたりの中にお互いの存在は大きく在り続けた気がするんですよね。

 
 
 
 
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ライ麦畑ともう少しクロスさせて考えてみる

「ライ麦畑でつかまえて」は何度か読んだけど、ちゃんときっちり全部読んだかは微妙な本だったりします。
ただなんとなくふんわり残っているセリフやシーンがある感じ。

しかしアオイ君は何度も読んだでしょうし、トグサも付箋をつけて読み込んでいましたよね。
あの話は本当に、いいよね。主人公のホールデン君の社会に対する不正やくだらない世俗に対する憤りは、すごい…よくわかる。
でも、じゃあ、どうすればよいのかと熟考した結果、純粋さを求めて社会と離れ、言葉を捨てるという発想に行き着く点もめちゃくちゃ共感してしまう。でも、妹の純粋さに一片の希望を見出して、彼は社会、人間というものから離れないで生きていくという選択をする。

このへんをアオイ君という存在と照らし合わせると、
やはり9課(とくに少佐やトグサ)は、アオイ君にとって希望だったんだと思います。
ひとりで悩んで考えて、ひとりで悪を全部取り除いてやる!と思っていた頃もあったけど、ああ世の中意外と捨てたものじゃないな…って。

 

 

アオイ君がホールデンのように希望を見出した世界で、正義を示す覚悟を決めたセラノさんが結局正義を果たせず死んでしまうところも
この世の中の変わらないクソさと不条理さを絶妙に描いてますよね。

非常に冷たいことを言えば、つまり はじめから終わりまで世界は何も変わってはいない ということなんですね。
ホールデンのようにあれだけ考えて、行動して、答えを見出したところで、社会は何も変わってはいない。
笑い男事件という社会現象は人に圧倒的な影響を及ぼしたとはいえ、社会の悪の根本も、構造も、システムも何も変わっちゃいないんです。

ただ、”アオイ”という、ハッカーで引きこもりで不器用で青臭いひとりの青年が、ネットやデジタルだけじゃないこの現実世界で、その身体を動かして正義を貫くことで、セラノさんみたいに、行動を変えた人もいるんですよね。社会が大きく変わらなかったとしても…

だからこそ公安9課は存在し続けるし、アオイ君は人間や社会に希望を見出すんでよ…
はぁ、ヤバくないですか?このアニメ!!!
最高に最高すぎる。好きすぎる…。原作も映画も好きだけど、SACめちゃくちゃ好きすぎる。

攻殻シリーズを愛ですぎると、ちょっとやそっとじゃ他の作品にはまれないんですよ…
でも普通にふわっと楽しむ作品はいっぱいありますけどね。
あ、ドトハクは、ハセシラは別枠です。あれは性癖なので。
 
 
 
 
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嫌われる覚悟でセラノという人物から現代社会というものを考える

結局暗殺という形で正義を果たせず亡くなってしまうセラノさん。
ああいうのを見てると、正義感や優しさにしろ能力にしろ中途半端な奴が一番他人に利用されるし、調子に乗ると殺される ってことなんだと思います。でもたぶん、世知辛いけどこれはこの社会の現実だと思うし、世の中のほとんどが茶番です。この社会は嘘の上に嘘が積み重なってできた虚構の上に成りっているし、優しさや正義などの美徳価値観を利用して民衆を囲いこんでるってことです。
(実は親族が医療関係者なんですが、「薬は飲まなくていい。病院に行く必要もない」と言われることがあります。もちろん病院に行かないと対処できないケガや病気もあり一概には言えませんので必要な人はちゃんと行ってください。ただ患者さんには処方するけど自分や家族には使わない薬って結構あるんですよ。あと脳死と臓器移植とか……ってだいぶ脱線してしまうので、この話はまた別の機会に)

アオイ君が「自分が使わないものをなぜ認可したんですか!?」みたいに憤るものの「仕方なかったんだよ…(世の中とはそういうものなんだよ)」って顔をするおじさん達の図。アオイ君の正義に惹かれた人は死に絶え、クソ社会を守る者がほほ笑む…。けれど公安9課がいるじゃないか~♬(突然鳴りだす戦隊もののBGM)

それにSNSは真実から目を反らすのに持ってこいのツールって言いますよね。あの「いいね!」とかいう機能にみんなを夢中にさせて、疑似的に人を競わせているそうです。今までは民衆のフラストレーションが権力者に向いて革命が起こっちゃってたから、民衆同士で発散させ合ってるというのはよく聞く話で…。
テレビや芸能はもちろん、医療や行政も芸術界すら………あちこちがそういう目くらましの茶番に溢れているから、非常にやるせないというか諦めの心が湧きまくるからこそ、アオイ君とかシラバスみたいな優しさと自分なりの正義を持った人にめちゃくちゃ心を奪われるのかもしれません。

 

 
 
 
 

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人形遣いと融合した世界線での笑い男事件

もし、少佐が人形遣いと融合した世界線で笑い男事件が起きたとしたらどうなるかを考えるのもなかなか面白いです。
一応、アオイ君は公安9課に希望を見出してくれるとは思うけど、少佐という決定的な人がいません。しかし少佐はネットに融合しているから、アオイ君がネットで少佐を感じることはあるかもしれない。でも逆に少佐がネットとの融合を選んでしまった現実社会にアオイ君は希望を見出せるのか…という不安も付きまといます。

でも、ホールデンが妹の純粋さによってとどまることを選択したのであれば、アオイ君が人形遣い的価値観の人物には惹かれないだろうから、ネットと融合することは考えにくい気もします。S.A.Cだと少佐と記憶を共有した時点で、「あなたがあとは全部うまくやってくれる」と思ったそうなので、少佐がいない世界では、アオイ君が自ら動いて何か行動を起こしていたかもしれない。9課とは出会うべくして出会うとは思うけど、一線をひきそうだし、なんなら9課VSアオイ君という図で物語が展開していくのもありそう。そういった世界でのアオイ君はちょっとカリスマ指導者風のキャラになってるかもしれない。

9課に入って一緒に活動するアオイ君も最高なんですけどね!

 

 
 
 
だいぶ長々と書いてしまいましたが、笑い男事件とアオイ君やセラノさんの話、一度は吐き出しておきたかったので書けてよかったです。加筆修正する可能性は大ですが。
ここまでお読み頂けた方、お付き合いいただきありがとうございました。
こんなこと考えた!ここはこういうことだと思う!みたいなご意見感想あればお気軽にメッセ頂ければと思います。
それでは。
 
 
 
 
 
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