ジョジョと奇妙な嘘つき男の話 あとがき

 
 
 
2024年4月から7月まで、大体三ヶ月に渡って書いてきた「ジョジョと奇妙な嘘つき男の話」のあとがきです。前回のバリスタの話はあとがきが長すぎたので、今回はなるべくさらっと現地ニューヨークの紹介とかを多めに書きたいと思います。小説1話分くらいの文章量で読めます。お暇な時にでもどうぞ。

 

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目次
About
人物設定紹介
登場した場所の小話
年表・時間
見失った羊とは何だったのか
物語は全てフィクションです
グレートギャツビーとニューヨーク
シーザーの設定とイーサン
総括・イメージ曲とか
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ABOUT

「写真と違うどころの話じゃないぞ。全然別人じゃないか!」
 ジョセフ・ジョーンズ、28歳。2023年のニューヨーク・マンハッタン。ずっと女の子と付き合ってきたものの、ある日自分はゲイだと気がついた。早速アプリで優しそうな紳士とマッチングしたはずが、現れたのはキザで派手な金髪の “嘘つき男” だった。

―――愛を求めてニューヨークに移り住む者はいない
 そんな孤独な街の片隅で、愛を求めて嘘をつく、とある男の物語。

 
 
 
 
 

人物設定紹介

 

趣味がバレますね…。今回の現パロ二人のイメージは彼らです。この写真は20代前半なので、28歳と30歳の設定にしては若すぎるんですが、この二人をもう5歳くらい老けさせて、もう一回りくらいマッチョにしたイメージです。なかなかドンピシャな俳優さんが見つからないんですが、いい人見つけたらぜひ教えてください。
 
 

⚫︎ジョセフ・ジョーンズ
28歳。ニューヨークの不動産会社に勤めるニューヨーク出身のアメリカ人。28歳になるまで女性としか付き合ったことがなかったが、ある日自分はゲイ(バイ)ではないかと思い、マッチングアプリで良さそうな相手を探し始める。でも結局シーザーとマッチしたらゾッコンになったので、アプリで男を探したのは始めだけです。
ジョセフは世間体として紳士的な振る舞いや良い仕事をしているだけで、ニューヨークのギラギラ感があまり好きではないタイプ。本当は好きな人と気楽に楽しくのほほんと生きていきたいと思っている。ニューヨークで生きる女性は意外と男性よりギラギラの出世思考だったりするので、いまいちやる気のないジョセフは結局フラれていく。そんな女性をエスコートするのに疲れてしまい、気の合う男(もしくは自分を叱ってくれそうな男)を探してアプリを始めた感じ。結局シーザーはジョセフにとっての “自分が否定した、自分がなりたかった姿” を具現化したような男だったので、結果的にどんどん惹かれていきます。

⚫︎シーザー・A・コッポラ
30歳。ジョセフとアプリを通して出会う “嘘つき男”。ジェノバ出身のイタリア人。ニューヨークに対して人一倍強い憧れと執着がある移民労働者。性に奔放なゲイで自信家。しかし蓋を開けてみたらトラウマてんこ盛りの繊細で臆病なメンヘラ男だった!(語弊)
そんな感じのシーザーさん。お仕事はファイナンス系ですが転職後はレストラン関係に就職しました。料理とグルメが人一倍好きです。イタリア人であることを誇りに思っているので、「これだからアメリカ人はダメなんだ」的な思考が強め。しかしジョセフに関してはそんなところも可愛いと思っている。自分の人生の全てが嘘であって欲しいと願うくらいには心に傷を負っており、本当のことを口にしないのが癖になっているところがちょっとある。過去を全て精算したいと思うくらいトラウマに苦しんできたが、自分の身につけた能力や魅力の大半がイーサンや過去の出来事の積み重ねだとも思っている。過去も未来も現在も、全てを丸っと愛してくれるジョセフに救われながら、ジョセフと生きていくことを選択する。

 
 
 
 
 
 
 

登場した場所の小話


ハドソンヤード
シーザーがジョセフを展望台レストランに呼び出したエリア。展望台やショッピングモール、大型ビルが軒並ぶ比較的新しいエリアです。夜景を売りにした雰囲気の良いバーやレストランが多い。

 
 
 


ヘルズキッチン
その名の通り飲食店の多いエリアであると同時に、LGBTQフレンドリーの店が多い。ゲイの友人がこのエリアに入り浸っていた話を参考に今回はイメージを膨らませて書きました。いくつかモデルにしたレストランもあります。

 
 
 


イータリー
二人の恋のキューピット的なイタリアンスーパー。輸入物のイタリア食材が何でも手に入る。その場でワインを飲みながらピザやおつまみも食べれます。しかし実際イタリア人がこの店に買い物に来てるかは微妙。観光客が多いイメージ。本場の人はもっと安くてコアなスーパーに行っている可能性はありますが、今回は分かりやすくモデルにさせていただきました。

 
 
 


アメリカンダイナー
ニューヨークの至るところにある大衆食堂のような場所。映画にもよく登場する。私もたまに行きますが、一皿が大きすぎて二人で一皿食べることが多いです。個人的におすすめなのはオニオングラタンスープ。
 
 
 

 
パルミジャーナ(ナスとチキン)
今回何度も登場したイタリア料理。ナスを重ねるのが基本。チキンバージョンはアメリカに移住したイタリア人が生み出した料理らしいです。世界各地に色んな謎バージョンがあります。チキンバージョンは全てのダイナーにあるわけではないかも。ナスのパルミジャーナはわりとイタリア系スーパーやレストランなどでも見かけます。美味しいです。
 
 
 

ジョセフの家(イメージ)
ジョセフはハドソンヤードとヘルズキッチンの間のミッドタウンエリアにあるとイメージして書きました。40階くらいに住んでいて、海側ではなく内陸側に面した一部屋に住んでいます。リビングに大きな窓があり、ビルの夜景が美しい。ジムやプール、レクリエーションルームなんかも完備された今風のラグジュアリーマンションです。
 
 
 


シーザーの家(イメージ)
セントラルパークのすぐ近く。公園を見下ろせる眺望の家をイメージして書きました。画像だとちょっと位置が高いんですけど、木と同じ高さくらいの5-10階くらいに住んでいます。階層は低いですが、昔ながらの石造りの古いビルを改装したレジデンスアパートなので意外とお値段はします。シンプルで素朴だけど品のある部屋をイメージしました。
 
 
 


トライベッカのペントハウス(イメージ)
ジョセフが最後にシーザーを連れていく部屋。超高級高層ビルの最上階にあるペントハウス。実際の部屋はyoutubeなんかで見れたりします。確かに広くてラグジュアリーなんですけど、そんな値段を払ってまで住みたいか?と言われると結構微妙かもしれない。日本人的にはお庭のある平屋の家とか、トトロに出てくるようなお家の方が良くない?値段も安いしって思ってしまうのは私だけか。(相場は15億とか、ペントハウスは100億超えます。流石にバカみたいなお値段です。金持ちの道楽か…)

 
 
 
 
 
 
 

年表・時間

シーザー関連年表
2013 20歳 渡米
2016 23歳 大学3年。イーサンに出会う
2017 24歳 卒業。イーサンの手配により滞在資格3年取得。ファイナンス系の子会社に勤務しながらイーサンの夜の相手をする。
2018 ヘルズキッチンに入り浸る。ジョンの誕生。
2019 高級クラブのバーテンダーへ転職
2020 COVIDの流行によるロックダウン。仕事を失うがイーサンの仲介によりアメリカ滞在資格3年追加更新(再び弱みを握られる)
2021 徐々に社会がCOVIDから復帰するにつれ、イーサンとの関係が再び深まる。トラウマが悪化。
2022 ファイナンスの仕事に復帰。ヘルズキッチンに再び入り浸り始める。
2023 30歳 現在 (アメリカ滞在資格更新のため、近々イーサンに会う予定だった)

物語の時間軸
2023年4月 アプリを始める
4月中旬 シーザーとマッチングする
4月下旬 ワンナイト
5月〜5月末までランチデートだけの関係が続く
6月初旬 ダイナーで別の男と過ごしているシーザーを見かける。週末にバーで再びシーザーを目撃。喧嘩する
6月中旬 イータリーでシーザーと再会。仲直り。その後付き合い始める。
7月4日 独立記念日

 
 
 
 
 
 
 

見失った羊とは何だったのか

物語にここまでしきりに登場すると、さすがに気がついた人もいるかもしれませんが、見失った羊のたとえは聖書の一節です。

(前略)
そこでイエスは彼らに、この譬をお話しになった。
「あなたがたのうちに、百匹の羊を持っている者がいたとする。その一匹がいなくなったら、九十九匹を野原に残しておいて、いなくなった一匹を見つけるまでは捜し歩かないであろうか。そして見つけたら、喜んでそれを自分の肩に乗せ、家に帰ってきて友人や隣り人を呼び集め、『わたしと一緒に喜んでください。いなくなった羊を見つけましたから』と言うであろう。
よく聞きなさい。それと同じように、罪人がひとりでも悔い改めるなら、悔改めを必要としない九十九人の正しい人のためにもまさる大きいよろこびが、天にあるであろう。
— ルカの福音書 15:1 – 7、口語訳聖書

この一節に対する説教とか解釈に関しては色々あるんですが、あまり気にせず物語を書きました。理由は何であれ「1匹の羊を探しに行く」というフレーズだけで私はもう全てが満たされてしまったので。
ジョセフはもちろん、この聖書の一節を知っていて、同時に羊飼いという存在に憧れがあったという設定になっています。羊飼いは遊牧のために社会から離れて住んでいて、子供のいない独身男性の仕事とされていました。俗世とかけ離れた牧歌的な環境で生きる羊飼いは、人間の理想像として芸術のテーマにもよくなってるし、イエスのイメージとしてもよく使われます。俗世間に対してどこか寂しさを覚えるジョセフは度々羊飼いの妄想をするようになります。
自分を羊ではなく羊飼いに見立てて妄想するジョセフは、それだけ自分が特権的な存在(金も仕事もある恵まれた人間)であると自覚していたし、自分は誰かを導きたいという願望もあった。特権を嫌いながらも特権を行使したい人間らしい深層心理がここにはあります。
しかし結局聖書の物語から大きく脱線し、ジョセフは自分の物語を夢に見ます。1匹の羊と新しい旅に出る夢です。羊は肩に乗せらるような哀れな子羊ではなく、意志を持った一匹の羊、対等な友人となり、一緒に歩いていくことを夢に見ます。
転生物として物語は描いていませんが、基本的に 現パロはどこかで転パロである と思っているので、シーザーとの未来を夢見るというのは、ジョセフにとっての悲願だと思っています。

 
 
 
 
 
 
 

この物語は全てフィクションです

現代のニューヨークが舞台ですが、これは本当に言っておきたいんですが この物語は全てフィクションです。リアルニューヨークではないし、私の人生の3%も入っておりませんので何卒勘違いだけはしないようお願い致します。
確かに実際見てきたものや、実際行った場所などが登場はするんですけど、やはり二次創作現パロとして見たいものを書いているので現実とはかけ離れています。人から聞いた話や、身近な人物の姿なんかを参考にしている部分はありますが。
今回はニューヨークを舞台にしたスパダリ現パロを楽しく創作しよう!と心がけていたんですけど、やっぱり実際目にする移民問題、滞在資格に関する苦労、人種差別や女性差別、経済格差… 色々気になることが多くて、さらっと書くはずの話が結構長ったらしくなってしまいました。少しでも何かを垣間見て頂けたのであれば嬉しいです。でもフィクションですので、何卒。
 
 
 
 
 

グレートギャツビーとニューヨーク

これはもう読んでくれ、調べてくれ、としか言いようがないんですが、グレートギャツビーの物語もふんわり意識しながら書きました。だいぶ古いアメリカ文学なので時代錯誤感はあるんですが、最近ブロードウェイで新しい作品が上映されたりと人気は根強いです。
簡単に言えば、愛を手にれるために金や権力を手に入れるも、結局それを手にれることはできずに死ぬ話です(雑解説) 金や権力を手にいれる理由は好きな女性が富裕層で、男は貧乏人。どんなに愛し合っても結ばれないから、同じくらいの地位を手に入れようとするわけです。確かディカプリオが主人公で映画化もしていました。駄作らしいんですが。地位の高い女性と貧しい男性の物語だとタイタニックも思い出しますが、ディカプリオさんはそういう青年役が似合うんですかね。不動貧ですね。

 
 
 
 
 
 
 

シーザーの設定とイーサン

今回の小説、始めと終わりとシーザーの回想だけはバチバチに妄想していたので速攻で書けたんですが、他の話は非常に難産でした。小説書くの辞めようかなって思うくらい難産でした笑。未だに修正を入れているので、既にお読みいただいている人は、文章の揺らぎを感じて頂けたのではないかと思います笑。
このシーザーの設定はわリと自然に思いついたんですが、個人的に萌えるスパダリ設定がよそ行きの顔は完璧かつ素晴らしい紳士を装っているけど、性に淫らで奔放。性に奔放なのに実は繊細でウブなところがあるという激しいギャップ です。これをシーザーさんにどうしてもやって頂きたかったというのもあります。いつもは澄ました余裕な顔してるくせに、本命(ジョセフ)の前でぐちゃぐちゃに赤面したり、子供みたいな笑顔を浮かべているシーザーが見たかった!ただそれだけです。

シーザーとイーサンを通して描きたかったのは、人間の心が壊れていく原因や過程だったのかなと思うんですが、シーザーの回想でシーザーさんにだいぶ語って頂いたので、あまりここで話すことはないです。イーサンが結局どのような男だったのかはあまり描いていませんが、彼も寂しかったのは間違いないし、シーザーのことが好きだったのも間違いないです。そして他にもシーザーと同じような搾取を受けている青年が何人かいると想像しています。イーサンは自分の立場を利用して若い20歳くらいの美青年を定期的に調達しては可愛がっている権力者です。しかしシーザーはもう30歳。イーサンの趣味の範囲を越え始める年頃です。長年(およそ7年)に渡り権力と肉体的な支配でシーザーを従わせようとするだけ、シーザーに対して並々ならぬ執着があるということになります。
まさに「あまりにも高いところにいると、足元にあるものが見えなくなる」を体現したような、孤独な男なんだろうなと思っています。

 
 
 
 
 
 
 

総括・イメージ曲とか

翻訳をしても多分3割くらいしか伝わらないので、目を閉じて感じて欲しい。小説を読む時間がなけれ、この曲を5分聴いてください。全ての言いたいことかそれ以上のものが音楽で伝わるなんて!これだから音楽ってすごい!と、いつも思います。

そして総括ですが、今回は前回の小説ほど絵を描けていないのが少々心残りです。全ては作業環境の死が原因なので、作業環境が整ったら色々お絵描きしていきたいです。でも小説と同時に絵をアップすると、絵のイメージに引きづられてしまうのかなぁという気もしていて、それなら今回みたいに全ての話を書き終えた後に落書きや絵をアップするのもいいかなと思うんですが、どうなんでしょう? もしご意見があればぜひお聞かせください。

それにしても一体どれくらいの人が最後まで読んでくれたのか、果たして何か伝わるものはあったのか、という少々不安な気持ちもあるんですが、一人でも二人でもここまでお読み頂けただけで私は感無量です。長い話にお付き合い頂き、本当にありがとうございました。ニューヨークに住む二人を少しでも楽しんで頂けたのであれば嬉しいです。この二人はゴールインしてからスタートみたいなところはあるので、軽率に短編とか落書きとか書いてるかもしれません。少なくとも落書きはたくさんしたい!
次回の話は何にしようか、どれにしようか、色々考え中ですが、また次のお話も読んでいただけたら嬉しいです。それでは。どうもありがとうございました!