「ああ、面白い。若く、成功の途上にありながら、こんなにも無防備とは」
シーザーは心の奥で冷たく笑った。そして彼の狩人の直感が告げていた。
“この男なら、支配できる”
グラスをテーブルに置き、シーザーは颯爽と群衆の中へ歩み出た。夜空を思わせる濃紺のスーツ、その背筋は揺るぎなく伸びている。金の髪がラウンジの光を受けて輝き、ざわめきを切り裂くように進むと、彼は迷いなくジョセフの前に立った――
これは、嘘しか知らない孤独なオメガと、嘘を知らない無垢なアルファとの、奇妙な権力意志の物語

About
・オメガバ現パロ。現代のニューヨークが舞台のオメガバースの世界で、ビッチング(αのオメガ化)とスタンディング(Ωのアルファ化)がテーマになっています。
・αからΩに落ちたシーザーと、αジョセフのカップリングです。濃いめの同軸リバ(R18)です。お互い抱くし抱かれるのでどっちも楽しめる人推奨。少しでも苦手な場合はブラウザバックした方が安全です
・登場人物やベースは「ジョジョと奇妙な嘘つき男の話」や「嘘つき男は悩める恋人に恋をする」になりますが、設定は変化しているので、読んでなくても大丈夫です
※1話につき6000-1万文字前後。全9話、約10万文字の長編。完結済み
※ジョセフが冒頭敬語で話したりかなりお人好しな性格です。シーザーがDIO並みに傲慢な性格をしています。どちらも最終的には原作寄りに落ち着きますが、経過で変化していくので苦手な場合はご注意ください。
※小説内での各用語や設定
ビッチング/スタンディング: 相手の心身を支配したり、支配されたりすることで属性が変化する現象。支配が起こるとアルファはオメガに、オメガはアルファに変化することがある。強烈な支配関係が発生するため意図的に行うのは違法行為とされている
第二の性(aβΩ)の扱い: 多様性を認めるべきという価値観が浸透し、第二の性は表向きにはあまり語られない。そのため、オメガを隠すことなく生活する者も多いが、無意識の差別や偏見はまだ残っている。また、アルファを特別視する風潮も抑えられてはきているが、依然として特権階級にアルファが多く、アルファ自身も特権意識を持つ者が多い
ヒート(発情期)と巣作り: オメガには年に3回のヒートがあるが、側にアルファがいると突発的にヒート状態になることがある。そのため抑制剤が流通している。ヒートが始まる直前には、巣作り(特定のアルファの私物や匂いのする物を収集する行動)や、強い眠気、渇望感などの症状が起こる
※権力意志:
安全や快楽だけを求めるのではなく、自らの力を発揮し、自己を拡張し、世界に働きかけようとする人間や生命のあり方、その根本的な衝動のこと


登場人物
ジョセフ・ジョーンズ
28歳。アルファ(α)。不動産ビジネスで邁進するニューヨーク出身のイギリス系アメリカ人。年齢の割に未熟さが残っており、シーザーの「支配」のターゲットにされる
シーザー・A・コッポラ
30歳。金融業界で生きるジェノバ出身のイタリア人。自信家で社交術に長けている。元々はアルファだったが、3年前、とある事件をきっかけにオメガに転落(ビッチング)する。世間に対してやや悲観的なリアリスト









