シーザー巡礼の旅 サンモリッツ探訪記

 
 

スイスへ行ったのが随分と遠い日のことのように感じますが、ようやくブログにまとめることができました。こちらのブログは「サンモリッツの旅記録」になります。私のブログを読んだことがある方は察しがつくと思いますが 個人的主観が爆走した サンモリッツ探訪ブログになります。概要と目次を見て、まぁ大丈夫そうだという方はお進みください。なんか面倒くさそうだなと思ったら回れ右でお願い致します。

 
 
 
 
 

【概要】
2024年9月におよそ1週間ほどスイス&イタリアを旅した際に立ち寄った「サンモリッツ」の様子をまとめたブログになります。ジョジョ2部に登場したサンモリッツ各所がどこか探すだけです。シーザーに狂ってるので思考・言動が変です。でもわりと真面目にサンモリッツのことを伝えようとはしている(はず)

【目次】
・ジョジョ2部から見るサンモリッツの地理
・シーザー的サンモリッツの聖地探し
 カーズ様の隠れ家 廃ホテル編
 ジョセフご一行が宿泊したホテル編
 その他漫画の場所/ぶらぶら撮った写真
・サンモリッツは夢を見る人が通う街
・聖地はヲタクの魂を浄化する

※ブログ内の写真は瞬間が撮影したものになります。クレジットは瞬間に帰属します。
 その他引用写真・情報は引用元を明記しておりクレジットは引用元に帰属するものとなります。無断転載等はお控えください。

 
 
 
 
 
 
 

ジョジョ2部から見るサンモリッツの地理

まずサンモリッツはどこにあるかというと、まさしくスイス!そしてスイスの南東寄りの場所にございます。標高は1800メートルを越えるので、富士山五合目くらいでしょうか?
意外とヴェネチア~サンモリッツ間は近いことが分かりますね。ちなみに車で行くと5時間程度で行けるようです。早い!

 

 

今と100年前では道路事情も違うと思いますが、半日もかからない時間でベネチアからサンモリッツまで行けたのではないでしょうか?今では山岳鉄道なんかも発達しており、旅路はかなり快適かつ楽しいものとなっています。

今回私はベネチアには行っておらず、イタリアのティラーノという場所から出ているベルニナ鉄道という列車に乗ってサンモリッツへ行きました。
ジュネーブ→ミラノ→ティラーノ→サンモリッツ→ジュネーブという流れで旅をしまして、ミラノがシーザーの故郷ジェノバにまぁまぁ近かったんですけどちょっと時間が足りなかったですね……。イタリアはイタリアでまたじっくり回りたいと思います!
ちなみに他にも氷河特急という鉄道にも乗ったんですが、私は圧倒的にこちらのベルニナ鉄道をオススメします!やはり景色のバリエーションが断然こちらの鉄道の方が豊かで楽しかったです!あとベルニナ鉄道も急行(パノラマ)より、ローカルの方が個人的にはオススメです。

実はイタリアの列車が死ぬほど遅れて予約していたベルニナ急行に乗れないという事件が起きたのですが、次の便のローカル線に乗ったらガラガラで席もわりと自由。むしろ急行だと席が固定され、車窓の風景は限定的だったと思われます。ネット検索だと急行しかないかのように錯覚するんですが、そんなことはなく、地元の人が乗るローカル線でゆっくり旅をすることもできます。イタリアの列車が遅れてくれたおかげで、むしろ良い思いをしたので万々歳でした笑。なので、もし鉄道に乗る際にはよーく調べて、急行(パノラマ列車)じゃない列車での乗車にチャレンジしても良いかなと思いました。でもパノラマ列車に乗りたい!ラグジュアリーな列車の旅がしたい!という方は、急行の一等席を予約した方がいいかもしれませんね。全てはお好みで……

ちなみに車窓からの風景はこんな感じでした。山脈、平原、湖、氷河……。色んなスイスの大自然を満喫できて本当に素晴らしかったです。

 

 
 
こんな美しい大自然をドライブする波紋戦士…。明日には死ぬかもしれない緊張感の中、彼らは一体何を考え、どんな話をしていたんでしょうね。
 
 

 
 
 
さて、前置きはこのくらいにして、いよいよ聖地サンモリッツへ。到着してまず第一声は「クソさむ……っ……」でした。
9月なのに10度くらいでした…。この日前後が冬のような寒さだっただけらしいんですが、サンモリッツは基本的に寒いです。イタリアが28度くらいだったので凄く寒く感じました。この大きな湖を中心にして栄えたエリア一帯がサンモリッツと呼ばれております。基本的に湖に対して北側のエリアにホテルやレストランの中心街があり、西側にも少しホテルや教会、お店などがちらほらとある感じです。

 


 
↑北側エリアを湖側から見たらこんな感じ
今と100年前では雰囲気がいくらか違うとは思いますが、ああこの景色はまさにサンモリッツという感じでテンションが上がりました。あと6〜8月、12〜2月頃がハイシーズンらしく、今回はオフシーズンだったということもあり、斜陽の地方リゾート地という雰囲気もありました笑。行ったタイミングがちょこっと悪かったんですが…。でもこのなんとも言えない廃れた感じと過去の煌めきとのギャップが妙なノスタルジーを呼び起こす感じもあり、この辺は後ほど語りたいと思います。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

シーザー的サンモリッツの聖地探し

 

 
 

ジョジョにおけるサンモリッツと言えば、カーズ様が根城にした廃ホテル(要塞ホテル)。そしてそれを眺めることができる波紋戦士ご一行が宿泊したであろうホテルだと思います。
ぶっちゃけますと、おそらくこの要塞ホテルは存在していません。ジョジョ一行が宿泊したホテルは可能性ありなホテルならありました。要塞ホテルのモデルとなったであろうウィリアム・テルとゲスラーの物語もさらっと読んでみたんですが、サンモリッツとウィリアム・テルおよびゲスラーってあまり所縁がないんですよね…。ゲスラーの城と呼ばれるものはスイスの全然違う場所にあるようでした。でも私のリサーチ不足かもしれないので、何かご存知の方がいたらぜひ教えてください。とはいえ、モデルになったのかな?と思われるものはいくつか見つけることが出来たので一応ご紹介致します。

 
 
 
 

カーズ様の隠れ家 廃ホテル編

①Rigi Kulm Grand Hotel
WEB: https://www.rigikulm.ch/en/ 画像元:©Rigi Kulm Grand Hotel
見た目はかなり似てるんですが全くサンモリッツではない場所にあります。スイスにはいくつか廃城をホテルにしたり観光スポットにしたりしている場所があるんですが、漫画のようなデザインの建物はなかなか見つからなくて…… でも、このホテルはかなり似てる気がしております。しかし今は丸っと改装しちゃったようで全然違う見た目になっています。

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②Suvretta House
WEB: https://suvrettahouse.ch/en/startpage-winter/ 画像元:©Suvretta House
見た目は似てないんですが、サンモリッツのホテル街から少し離れた山の中にある老舗ホテルです。立地はなかなか原作に近いかなと思います。

 
 
 
 
 
 

ジョセフご一行が宿泊したホテル編


約100年前あるいはそれ以上前からある老舗ホテルは意外と多くはありませんでした。湖を見下ろせる感じ、外装などを加味すると下記の2つが有力かなと思います。(画像はJoJo Portal:https://jojo-portal.com/)

 
 

①Kulm Hotel St. Moritz
WEB: https://www.kulm.com/en  画像元:©Kulm Hotel St. Moritz
参考:https://www.globalinspirationsdesign.com/kulm-hotel-st-moritz/
個人的にはこちらのKulm Hotelのベランダ感がわりとアニメ原作っぽいなと思いまして。荒木さんはこのホテルに宿泊した(あるいは資料にした)のではないかと踏んでおります。エントランスの階段が二手に分かれる感じも既視感あり。



 
 

②Badrutt’s Palace Hotel
WEB: https://badruttspalace.com/  画像元:©Badrutt’s Palace Hotel
こちらは城を改装したホテルということなんで、廃城ホテルのモデルの可能性はあるんですが、見た目があまり似てないのとKulm Hotelの目の前にありすぎるんですよね。何かしら参考にした可能性はあるのかなぁと思います。

 
 
 
 

しかし、こちらの2つの老舗ホテルは夏と冬しか営業しておらず、9月は営業しておりませんでした。チーン。
今回出張に合わせてこちらの旅を計画したので、時期はずらせなかったんですよね…。申し訳ないです。内装含めてレポしたかったんですが…。また次回行くことがあれば真冬のサンモリッツ&老舗ホテルにチャレンジしたいと思います!


オフシーズンのため閉鎖&改装中のkulmホテル。老舗高級ホテルの趣は皆無です……笑

 
 

……と、まぁこんな感じでございまして、結局サンモリッツに行ったものの、聖地らしい聖地は見つからず、ただその場所の空気を吸うという、まさに波紋使いの心意気で滞在することになりました。
「ああ、シーザーはこの空気を吸ってたんだ。私は今、シーザー最後の日のあの空気を吸っている……」
そう思うだけで心に波紋が染みわたりました。ホテルから山々を眺めながら、もしかしたらあの山に昔、廃城ホテルがあったのかもしれない。きっとあのサンモリッツの山でシーザーは散ったんだなと……

 
 
 
 
 
 
 
 

その他漫画で登場した場所

 
この漫画ページに登場する場所は、サンモリッツの主要観光スポットのようでした。やはりジョセフがテラスでくつろいでいる先に、Badrutt’s Palace Hotelらしき建物が見えるので滞在していたのはKulm Hotelで間違いない気がしてきました。わー!泊まりたかった……!
 

 
 
 
以下はサンモリッツをふらふらした時に撮った記録写真になります。なんとなーく現在のサンモリッツの雰囲気がお分かり頂けるかなと思います。


 
 
 

まぁ崩れかけの廃城ホテルなんてあったら、私の情緒は爆発して死んでたと思うので、100年経った今、サンモリッツは実に平和であった…… という心穏やかな感想を胸に抱けたので良かったかなと思います。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

サンモリッツは夢を見る人が通う街

既にちょいちょい思いを馳せ始めてますけど、サンモリッツの空気を味わって噛みしめすぎて、翌朝一人で湖を一周しました(クソ寒い)
朝一で鉄道に乗る予定だったので、日の出と共にほんの1、2時間くらい歩いてきたんですが、この時間が一番サンモリッツを感じ、シーザーへ思いを馳せる時間だったように思います。

オフシーズンのサンモリッツはなんというか、美しい湖と美しい空気、それ以外は特に何もない場所なんですね。先ほど斜陽の地方リゾート地と言いましたが、街自体が20世紀後半に開発されたということもあり、あんまり古い建物がないです。先ほど紹介した教会や古いホテルがちょこっとあるだけで、他の建築は日本のリゾート地にあるような建物とあまり変わらない。このミスマッチさというか、「老舗高級リゾート」を謳っているわりには街がダサいな……と、少々肩透かしを食らってしまいました。でもこれは私が近代建築の宝庫であるニューヨークに住んでいるから少々辛口なだけかもしれません。いや、たぶんそうです。ごめんなさい。

でも逆にジョセフやシーザーが訪れた1930年代はまだこの開発がされていなかった頃なので、さぞかし趣ある場所だったんだろうなと思います。
冬のオリンピックの地として賑わっていたあの輝かしい時代。世界初の冬のリゾートとして富裕層たちが氷の楽園としてもてはやしたあの時代—————

 
 




(引用元: ©Badrutt’s Palace Hotel、Kulm Hotel St. Moritz、theicestmoritz.ch)
 
 

まさに私が見たかったあの時代の古い写真なんかが街のいたるところに展示されていたりしました。ありがたやー!しかもその写真、本当に素敵なんですよね。サンモリッツが本当に素晴らしい場所だったんだなって感じることが出来ます。こんな風景をシーザーは眺めていたのか……!
あの時代は大自然と素晴らしいホテル、本当にそれしかなかった。今思うと、これこそが本当のリゾートであり、満ち足りた大人の最高の娯楽なのかもしれない。燦々と輝く太陽と美味しい空気。きらめく雪山を眺めながら最高級の料理を食べる至福のひと時……。それこそが贅沢の終着点——————

しかし今となってはそれは変わらぬ伝統か、それとも置いてけぼりの時代遅れか。俗世間から少しばかりズレてしまった素朴で優雅な街。サンモリッツという夢。それが一体何なのかはサンモリッツに行った人間だけが分かる。いつまでも夢を見ることが出来る人にとって、この格式高き置いてけぼりのリゾートというのは一種の楽園なのかしれない。そんな風に思いました。
私たちはサンモリッツ。私たちはいつまでもサンモリッツを愛している。そんな声がどこからともなく聞こえてきたような気がします。

 
 

 
 

それにしても、貴族や王族、セレブがお忍びでやってくる「あのサンモリッツ」という夢は今もなお健在なのか。これはハイシーズンに行ってみないことには分からない気がします。でも実際、冬のハイシーズンの老舗ホテル(先ほど紹介したKulmなど)のお値段を見たら1泊20万くらいまで跳ね上がっていたので、これはたぶん冬に貴族の集まりがあってもおかしくないように思います。まだまだサンモリッツのブランド価値は高そうですね。だって一番下のお部屋でそれですよ? そのお値段を出せない人は泊まれないよう足切りしてるようなものじゃないですか。サンモリッツ恐ろしや……

私にとってここはリゾート地というより シーザーが散った聖なる地 なので、ここにリゾートを求めてやってくる人間とはまるで身分も立場も違います。聖地巡礼という非常に気の狂った心で、永遠の夢を見るためにここにいます。なのでたぶん全然別な意味でサンモリッツを春夏秋冬楽しめるんじゃないでしょうか。でも何ひとつしてサンモリッツに夢を見ていない人間にとって、ここはただの古ぼけた街でしかないのかもしれない。しかし、このブログを読んでいるあなたはサンモリッツの夢が見れる人間の一人だと思いますので、ぜひその身をもってサンモリッツを味わいに行って欲しいです。なんにせよ冬のサンモリッツ、そして真夏サンモリッツを見ないことにはまだまだ語れないような気がしています!やはり次は雪の降りしきるサンモリッツにリベンジしなくてはいけないなと思いました。高いけど。

(引用元:St. Moritz Design Gallery / https://www.stmoritz.com/en
サンモリッツの歴史参考URL:
https://theicestmoritz.ch/history/
https://bycar.su/en/blog/swi/about_st_moritz/

 
 

 
 
 
 

聖地はヲタクの魂を浄化する

私がなんでこんなにもサンモリッツに執着するのか、そして昔の時代に思いを馳せてしまうのか。
それはやっぱりシーザーが生きた時間を感じたいからです。この時代は一体どんな風景で、どんな音がして、どんな価値観で…… どんな時代の中、彼はイタリアの貧民街を駆け回り、波紋戦士として生きて散っていたのか。もう思いを馳せずにはいられないじゃないですか!!? (面倒くせぇヲタク)
ジョセフが生きたであろう1940~90年代のニューヨークも思いを馳せずにはいられないんですが、たった20年しか生きていないシーザーの目に映った風景を少しでも見届けたい……と、結構マジになっているからヲタクって本当に怖い。

そしてこのサンモリッツの湖を一人で歩きながら、ふと、この場所でシーザー・アントニオ・ツェペリに思いを馳せた人間が一体どれだけいるのだろうと考えました。やはり腐ったヲタクとしてはジョセフ・ジョースターが再びサンモリッツに訪れたのかを熟考してしまうんですよね。高級リゾート地なので、家族と一緒に遊びに行ったかもしれないし、絶対に行かなかったかもしれない。家族には内緒で一人で行ったかもしれない。もしかしたらジョセフもこの湖の周りを一人でぐるりと歩きながら、シーザーに思いを馳せたかもしれない……と、想像した時、私の情緒は弾け飛び、魂は清らかに天に昇りました。ああ、サンモリッツ。ありがとうサンモリッツ。私はきっとまた来るよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
ついつい余計なことを語ってしまうのがオタクの悪い癖ですね…。全部妄想なのに。こんなにも夢中になってしまうとは。このサンモリッツでの経験を、少しは何か創作に生かせればよいのですが…。
そんなこんなで、そろそろこのくらいでブログは締めさせて頂きます。ブログから少しでもサンモリッツの雰囲気や聖地情報を楽しんで頂けたのであれば幸いです。それでは、また~!